このたびオーブンレンジを新調した。
オーブンレンジといっても、オーブンの機能は3日目くらいの中途半端にあまったカレーを使ってカレードリアを作るくらいでしか使用していないので、九割五分電子レンジである。
今まで使っていたやつが壊れたとかではないが、もう十数年わが家の冷や飯を温め続けているのでそろそろ定年退職し、第2の人生を楽しんではいかがだろうかというこちらからの提案だ。人生じゃなくレンジ生か。
いやまあ平たく言えば、かっこいいオーブンレンジを見つけたので買い替えたという話である。
新入社員のバルミューダさん
新入社員というか、ドラフト1位で指名したい期待の新人「バルミューダさん」だ。おもわず「さん」付けしてしまうくらいのイケメンであります。
思えばヨドバシカメラにてひとめ惚れをしたのが今年のはじめである。ひとめ会ったその日から恋の花咲くこともあるを地でいくひとめ惚れっぷり炸裂のフォーリンラヴを引きずること9ヶ月。このたび晴れてゴールインするに至ったのだ。
だがしかしインターネッツでのレビューを見てみると、直接あらわにはしないものの、行間を読めば機能性に難ありという意見が散見される。
もちろん、それを承知の助で購入したのだが、実際使ってみて正直なところを発表したいと思う。
以前というかついさっきまで使っていたレンジ
前はこういったボタンのたくさんついた多機能そうなやつを使っていたのだが、基本ご飯とおかずを温めるだけなのでこまかい使い方はわからずじまいだ。
「パスタ」や「カフェごはん」といったボタンが並んでいる。正直どんな具材を入れてチンすればカフェごはんができるのか全く見当がつかないが、そういうメニューがあるということはそれなりのニーズがあるのだろう。今思えば、白米とひき肉と生卵を入れてボタンを押せばロコモコができたんじゃないだろうか。すごいな。
さて、実際使ってみての感想だが、やはりうまく温まるものもあれば、うまく温まらないものもあるという結論だ。あたりまえ体操くらいあたりまえなところに着地した。
そんなことはわれわれが幾度となく通ってきた道である。こちらの工夫次第でどうとでもなる問題だ。そして現時点でのマイナス評価はそれくらいである。
つづきましてはいいところを発表するターンだ。
まず見た目がかっこいい。
以上である。
え、それだけ?それだけで十分じゃないか。かっこいいんだぜ。
ただ、見た目だけでなく中身もかっこいいのだ。
ちょっと見てよこれ。
ダイヤルを回すとギターの音色とともにモードが変更される
調理完了するとENJOYと表示され、またしてもギターを奏でる
そしておしゃれの代名詞、間接照明が灯る
ほら、福山雅治くらいかっこいいでしょう。もしくはジローラモくらいちょいワルである。
かつて電子レンジは「チン」という音で調理完了を知らせていたので、土曜のお昼といえばテーブルには焼き飯とともに「チンして食べてネ」というメモ書きが置かれていたものである。
それがいつの頃からか「ピー」という愛想もクソもない合図に変わってしまったが、それでもわれわれは「レンチン」と言い続けてきた。
そして平成終了のカウントダウンがはじまったタイミングで、満を持して「ジャララン~」というギターの調べがチンの代わりとして採用された。
電子レンジ界の働き方改革だ。
だがしかし、チンの地位をおびやかすかと問われれば、答えは否である。
実家で使用してもおかんは「ジャララン~して食べてや」とは言わず「それチンせな冷たいで」と発するだろう。
それを聞いて育った子どもはまた自分の子どもにも「チンしいや」と伝える。親から子へ、子から孫へと脈々と受け継がれる「チン」。
こうして電子レンジの調理完了音がどう変わろうとも、いかなる天変地異が起ころうとも「チン」は未来永劫続くのである。ラブとチンはフォーエバーなのだ。
そうこう言ったところでわが家にバルミューダのオーブンレンジが来たことはまぎれもない事実である。
そしてこのレンジで温めることも「チンする」と言い続けるだろう。これでいいのだ。
ただ、冷蔵庫に入れておいた冷やご飯をオートモードで温めると地獄の業火のごとく熱くなるので注意が必要である。
三河弁で言うところのチンチンに熱くなるということである。
それでは皆さま、よいレンチンライフを。