※今回はうんこの話をするのでカレーを食べながら読んでる人は食べ終わってからまた来てください。
尾籠な話で申し訳ないが、私はうんこが長い。
長いと言ってもモノが長いわけではなく、時間の話である。
ロングうんこじゃなくて、うんこタイムがso longなのだ。
おかげで「予定の15分前のうんこは我慢」というマイ標語ができてしまった。標語というか、もはやことわざである。
あくまで15分は最短の条件であって、そこから延長延長で30分オーバーになる場合もある。勝負がつかなければ時間が許すかぎりの無制限デスマッチが繰り広げられることとなる。そうなれば温かい便座のおかげで尻が低温やけどというダメージをうけてしまう。あぁおそろしい!
幼少のころから便秘体質で、トイレに入ればわずかに出るだけで出切らない。それでもなんとかして出し切ろうとふんばるが報われず、結果残尿感ならぬ残ウン感満載でトイレを後にする。
この敗北感をなかなか共有することができずに気づけば40年である。
そんなうんこが出ない症候群でもモヤモヤしていた高校時代に衝撃的な事件があった。
当時私は陸上部に所属していた。
毎日部活動がはじまると、アップと称する準備体操や、運動場を周回するジョグ(いわゆるジョギング)が行なわれる。
そのジョグの最中、突然便意に襲われるチームメイト(A君)がいたのである。
さいわい運動場の隅にトイレがあり、その前にさしかかった時にA君が「ちょっとうんこ」と言って集団を離れトイレへ。われわれは走り続ける。
公立校の運動場なのでさほど広くなく、ゆるく走っても2分もあれば余裕で一周できるくらいだ。
一周まわってふたたびそのトイレの前を通り過ぎようとするタイミングでA君がさわやかな顔で集団に戻ってきた。おいおい、まじかよ。
われわれがジョグでグラウンドをひと回りする間にA君はトイレに行き、うんこをして尻を拭き戻ってきたのである。2分ほどの間に。
さすがに他の部員もざわついた。あまりにも速すぎるだろう。ちゃんと拭いたのか。こりゃ前人未到の記録達成だ。と、口ぐちに最大級の賛辞でA君を讃えた。
そこで彼は言った。「これがスピードうんこだ」と。
スピードうんこ!
はじめて聞く言葉だったが、すっと耳に入り、脳で処理され、口から出た。そうか、彼はスピードうんこのプロ、スピードうんカーだったのか。2分ておしっこレベルじゃないかよ。
さらに聞くと、本気を出せばまだまだ短縮できるとのこと。さすがプロである。今でも会えばその話が語り草になっている。
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やがて時は経ち、現在の私はというと、A君の影響か食生活の改善か便秘症はずいぶん解消され、5分ほどでうんこ完了できるようになった。
たまに座るや否やブリブリと気持ちよく放出され、はい終わり!となり、「おお、これはスピードうんこじゃないか!」と意気揚々と尻を拭くが、ズボンを履いて立ち上がると「残念、まだ出ますよー」と、さらなる便意が津波のように押し寄せ、見つめ合うと素直におしゃべりできなかったり、侘しさにI know…怯えてるHooとなったりしてしまう。
もしかしてこれがツンデレというやつじゃないだろうか。ツンデレうんこ。
以上、人生初のツンデレがうんこだったお話でした。
それではいただきます